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日なたの窓に憧れて

メンヘラなおたくの雑記です。

謝辞と送辞

思考 日常

 

 

ガガガSP 「卒業」 - YouTube

 

 

むかーし昔、好きだった(と思っていた)人から久々に連絡が来た。「第一志望に受かりました」という旨の、簡素なもの。わたしはほう、と呟いて、少し憂鬱な気分になった。

残念ながらわたしはスーパー悲劇のヒロインおセンチめんへらポエマー女なので、少し彼について書かせてもらおうと思う。もし彼が見たら自分だ!と気づくだろうけど、さすがに見つからないはずだ(と信じている)。

 

彼とはむかーし、相思相愛であった。まだほんの子どもだったけれど、それでも子どもは色恋に真剣で、わたしたちは好きあっていた。彼はその当時からとても聡明で、賢かった。まだ偏差値や階級やアイデンティティが確立していない時期だったから、わたしともずいぶんよく話してくれた。彼の言っていることはたまに少し難しくて、でもわたしや周りの子がわからないと、あきれるような態度を取りつつ丁寧に噛み砕いて説明してくれた。そんなところが好きだったのだと、ぼんやり思う。もうずいぶん時間が経ってしまったから、景色よりも感情ばかりが濃ゆく残っている。当時の記憶はわたしにとっては苦々しいものばかりだから、思い出さないように気をつけていたらきれいさっぱり忘れてしまった。

 

彼から某超有名大学志望だと聞いたとき、そこまで驚かなかった。驚いてほしかったみたいだけど、当時の賢さから言っても、むしろこの人は受かるだろうな、となんとなく勝手に思っていた。ちょうど、受験の時期にわたしと彼の2人に色々あって、(というよりわたしが色々してしまって)、彼はわたしに少しひどい態度をとった。受験中だし、今なら仕方ないと思える。でもわたしは自分勝手で悲劇のヒロインだったので、意地を張って、恋愛経験の少ない青年の心に傷をつけるには充分なキツイ言葉を何度もお見舞いしてしまった。少し時間が経つと申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまったが、会話していると望む言葉や言いたい言葉が上手く伝えられずに酷い言葉を何度もぶつけた。

でもそのたび、彼は下手に出て上手くおさめてくれていた気もする。どこまでも臆病で優しい人だった。ものすごく自分勝手な言い方をすれば、わたしを理解しようとしてくれていた人だったのに、わたしは相手に理解しようと歩み寄れなかったことに、とても後悔している。

何度も謝ろう、と思った。大事な時期だったのに、一番支えてあげなければいけない人だったはずなのに、そんなわたしが酷い態度をとったこと。冷たい言葉を浴びせたこと。素直になれなかったこと。そんなぐちゃぐちゃのまま時間だけが流れて、何もかもなかったことになってしまったこと。

今回、受かったという連絡が来たとき、これが最後のチャンスだと思った。謝れる、そしてありがとうが言える。でも、わたしの謝罪はすでに自己満足のオナニーでしかない。彼の念願叶った門出に、最悪でしかない、水に流そうとしてくれた記憶を掘り返して ごめん、だなんて虫が良すぎる。

 

だから、わたしは薄っぺらな「おめでとう」という言葉を、精一杯の明るい調子で送信した。祝う気持ちは本当だ。ただ、わたしは、彼がどんなふうに苦しんで、どんだけ頑張ったのか知らない。そばで見てないから。支えてないから。むしろ、受験の最中にわたしのつけた傷を、彼の周りの懇意の方に癒してもらい、彼自身で乗り越えたのでしょう。こんな立場のわたしが彼の努力を称える言葉なんて吐けないし、今の彼をよく知らないわたしには彼の展望を語ることもできない。だからわたしは、「おめでとう」という、とんでもなく薄っぺらくて、そしてとんでもなく大事な言葉で、彼の門出を祝うことしかできない。

 

 

結局、彼とは釣り合わない人間だったのだと思う。もし、彼にとっての最悪な思い出になってしまっていたら、それはほんとごめん。もっとあなた自身を想ってくれる気立ての良い子と幸せになってください。 わたしにとってはまあまあ良い思い出だ。苦いけど。これで学習して成長できるとも限らないけど。

直接ごめんなさいができないから、こんなところにこんな文章を上げてしまう。全く、めんへらポエマー女には気をつけた方がいいぞ!!! とりあえず、今までありがとう。ごめんなさい。そして、本当におめでとうございます。